






同イベントは、睡眠の専門家の集まりである「睡眠改善委員会」が主催する催し。二人の専門家が、“かくれ不眠”がもたらす弊害や睡眠の改善方法を紹介した。
最初に登場したのは、杏林大学医学部 精神神経科教授の古賀良彦氏。古賀氏は、睡眠の質の低下がストレスを強めたり、睡眠不足が肥満を招くほか、高血圧症や糖尿病をはじめとする、生活習慣病の発症進展に深く関与しているという、複数の研究結果があることを話した。
また古賀氏は、専門医による治療を要する不眠症に至る前段階の、不眠症予備軍(軽度短期不眠状態)を“かくれ不眠”と呼び、「かくれ不眠チェックシート」と「かくれ不眠タイプ」を紹介。以下では、その項目とタイプを記載する。
■「かくれ不眠」チェックシート/睡眠改善委員会
・寝る時間は決まっておらず、毎日バラバラである
・平日にあまり寝られないため、休日に「寝だめ」をする
・起きた時に「よく寝た」と思えない
・寝つきが悪いことが多い
・夜中に何度か起きてしまうことがある
・思ったよりも早く起きてしまうことがある
・よく昼間に居眠りしてしまうことがある
・集中力が途切れがちで、イライラすることが多い
・最近、面白そうなことがあってもあまりやる気が出ない
・自分は寝なくても大丈夫なほうだ
・眠れないことは異常なことではないと思う
・仕事が忙しいと、寝ないで夜遅くまで頑張ってしまう
※上記の1項目以上が当てはまる人は「かくれ不眠」。不眠症状が強い場合、
もしくは合計10個以上該当する人は専門医への相談を進めていた。
■「かくれ不眠」のタイプ分類
・「眠りが浅い」タイプ
生活習慣・ストレスなどへの反応は弱く、浅い眠り系の指標への反応が
強いのが特徴の層。中高年代が相対的に多め。
・「高ストレス」タイプ
生活習慣系に加えて、ストレス系の反応が顕著に高いのが特徴となる
回答者群。
・「生活不規則」タイプ
生活習慣系の反応が大きく、生活の規則性を確立できないために
軽度短期不眠症状を呈している層と考えられる。
・「自分は大丈夫」タイプ(不眠慣れタイプ)
ほぼ全ての要素に反応し、特に不眠慣れの要素が強い一方、ストレス系の
反応が薄いのが特徴。
・「初期かくれ不眠」タイプ
反応個数が少なく、特定領域に集中する傾向もないことから、ごく初期かつ
まだ軽度の短期不眠者であると思われる。
さらに古賀氏は、「かくれ不眠」の解消を目的として、オムロンヘルスケアの睡眠計『スリープデザイン HSL-101』を使用した調査を621名の男女に実施したという。その結果、「自分は大丈夫タイプ」と「高ストレスタイプ」には、中途覚醒(夜中に目覚めたり、その後眠れなかったり、眠りが浅く、熟睡できない状態)に問題があり、ビジネスシーンや日常生活、人間関係において、さまざまな弊害が生じていることが判明したことを話した。
かくれ不眠の改善方法としては、睡眠計などを使用して睡眠の状態を客観的に評価し、自分が「かくれ不眠」だった場合は、タイプを認識がする必要があるとのこと。そのうえで「食事の工夫」や「軽い運動」、「ぬるめのお湯で入浴」したり、眠るための環境(最適な照明や室温・湿度を維持)を作り、かくれ不眠に陥らないためのスリープマネジメントを行うことが大切だと語った。
古賀氏の次に登場したのは、睡眠コンサルタントの友野なお氏。友野氏は、かつて自身が太っており、食欲が抑えられなかったことを公言。さまざまなダイエットにチャレンジしたがやせず、諦めかけていたころに「睡眠」に着目した結果、ダイエットに成功したという。
友野氏は、自身の経験を活かした「眠活」を提案しており、朝8時から夜23時までの活動時間帯に起こる、イライラや肌荒れ、肥満、能力低下、疲れなどを、夜23時から朝8時までの9時間に解消することがポイントとのこと。眠る前の1時間、7.5時間の睡眠、起床後30分の過ごし方が体内のメンテナンスにつながり、“質の良い眠り”が、「美肌効果」、「ダイエット効果」、「免疫力アップ効果」、「学力向上効果」、「アンチエイジング効果」を生み出すという。
また眠るときは、部屋の明かりを、青白い蛍光灯ではなく、暖色系の間接照明やろうそくにしたり、アロマや音楽、ストレッチ、読書(テーマが軽いもの)でリラックスすることが、質の良い眠りを得る方法だと説明。さらに、朝気持ちよく目覚めるには、太陽の光を目に入れることが大切だと話していた。
