




同セミナーは、花粉の飛散量が増える時期を前に、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)治療に用いられている“抗ヒスタミン薬”の新しいトピックスを紹介するために行われたもの。
今回のセミナーに登壇したのは、抗ヒスタミン薬の研究に従事している、東北大学 医学系研究科教授の谷内一彦氏。谷内氏は、花粉症の重症化を抑制する初期治療法や、抗ヒスタミン薬について説明を行った。
以下では、谷内氏の講演でポイントとなっていた情報の一部を抜粋し、わかりやすく紹介する。
■アレルギー症状が発生する流れ
・マスト細胞(肥満細胞)がアレルギー症状の発症の鍵
・マスト細胞が異物(花粉など)を認識すると
ヒスタミン(生理活性物質)を放出
・ヒスタミンは異物を体外に追い出す(防御反応)ために、
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどを起こさせる
■花粉症の初期治療薬について
・ヒスタミンの作用を抑制する“抗ヒスタミン薬”で
アレルギー症状を抑える、軽減する
・抗ヒスタミン薬には第1世代と第2世代がある
・第1世代抗ヒスタミン薬は1950年から1980年に開発され、
「眠気」や「だるさ」などの副作用がある
・第2世代抗ヒスタミン薬は1990年以降に開発され、
眠くならない種類がある
■抗ヒスタミン薬の最新トピックス
・眠くなりにくい抗ヒスタミン薬が花粉症などの、
アレルギー疾患の第一選択薬
・これまで医師が処方していた抗ヒスタミン薬を、
薬局やドラッグストアなどで購入可能になった
(OTC医薬品として市販)
・ヒスタミンの受け皿として働くタンパク質(ヒスタミン受容体)が、
ヒスタミンが存在していない状況下で、アレルギー症状を発現させる
指令を出していることが判明した(受容体の構成的活性)
・花粉症の初期治療として、花粉が飛ぶ前から、
眠くなりにくい抗ヒスタミン薬を服用すると効果的
・花粉症の初期段階でOTC医薬品の抗ヒスタミン薬を使用し、
効果がなければ医師に相談する
このほか、抗ヒスタミン薬の副作用には、眠気のほかに、「鈍脳(インペアード・パフォーマンス)」があることを、谷内氏が説明。これは、集中力・判断力・作業能率が低下した状態で、薬を飲んだ本人は自覚しにくい場合もあるという。このため谷内氏は、眠気と鈍脳がない抗ヒスタミン薬の摂取を勧めていた。
