梅雨や夏に発生しやすい食中毒や、気温の変化による夏バテなどを防ぐために、よりいっそう健康管理に気をつけたい今日。とはいえ、体調が悪くなったり、明らかに何らかの病気にかかってしまったときは、検査や治療を目的として医療機関を利用するだろう。
意を決して会社を休んだり、仕事の合間をみつけて病院に到着するも、受付には長蛇の列。なんとか受診の手続きを終え、待合室の椅子に座ること数十分。いっこうに自分の番がまわってこない……。
ようやく名前を呼ばれ、医師に症状を説明するも、数分で診察は終了。今度は処方箋を受け取って会計するために待つ。さらにその後は、調剤薬局で薬を購入するために、またしても待つ。という、「待つ」の連続でぐったりしたことがある人は多いのではないだろうか。
このたび、医療機関向けのデジタルサイネージなどを企画・運営しているメディネットは、クラウド型アンケートシステムにより、13の医療機関で無記名アンケート方式で外来患者満足度調査を実施し、その結果を発表した。
調査結果によると『外来者の不満』は、「診察待ち時間」が22.2%ともっとも多く、次いで「駐車場」が17.2%、「会計待ち時間」は16.7%と続く。また「診察・予約時間への配慮」もトップ10入りしていた。
厚生労働省の「平成23年受療行動調査」における『外来患者の診察までの待ち時間』によると、「1時間未満」の待ち時間の割合が多いという結果に。「30分未満」が55%、「30分から1時間」が24%となっている。これは、今回実施されたメディネットの調査でもほぼ同様の結果だ。
また、『診察待ち時間別の不満度』をみてみると、30分までは「駐車場」への不満がもっとも高く1位、30分を超えると「診察待ち時間」への不満がもっとも高かった。90分以上になるとトップ3すべてが「時間」に関する項目になっており、他の時間帯ではなかった「診療・予約時間へ配慮」への不満が2位に入った。
続いて『病院での診察待ち時間の限界』は、「50分から60分」が18.6%ともっとも多く、「20分から30分」、「30分から40分 」、「1時間から1時間半」で15%を超える。
自由記載欄には、「30分から40分が理想」、「わたしの通っている病院は予約であっても2時間は待たされます。診察はていねいなので仕方ないかな」などのコメントがあった。
こうした状況を踏まえ、各医療機関では患者サービスの一環として、予約システムや待ち状況のモニター表示、待ち時間を利用した情報提供モニターなどを導入するケースが増えてきているという。
「待ち時間の見える化」や「退屈せずに待ち時間を過ごせる環境づくり」が進めば多少不満は解消されるかもしれない。高齢化社会となり、医療機関を利用する人が増加しているからこそ、医療機関を利用する人と働く人の双方にとって最良の環境を整えるための対策が望まれる。
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