












同イベントでは、国税庁長官の中原広氏が主催者として挨拶を行ったのち、国税庁課税部の八原正夫氏(酒税課長)が「ワインの表示ルール」について説明を行った。
八原氏は、昨年の10月30日より、新しいカテゴリーとして「日本ワイン」の表示ルールが定義されたことを紹介。
国産ブドウのみを原料とし、日本国内で製造された果実酒を「日本ワイン」と定義し、海外の原料を使った他のワインと、明確に区別できるようにしたことを伝えた。
さらに、日本ワインに限り、産地名、ブドウ品種、収穫年を、一定のルールに基づいて、ラベルに表示できるようにしたことも説明した。
また、これまでは、国産ブドウのみを原料にしたワインと、それ以外を原料にしたワイン(輸入濃縮果汁、輸入ワイン、海外原料などを使用したワインなど)の両方を「国産ワイン」と表示しており、区別がつきにくいことが、消費者の間で問題になっていたため、「日本ワイン」の表示ルールを制定したことも伝えた。
続いて、国税庁課税部の宇都宮仁氏(鑑定企画官)が、国内外で「日本ワイン」に注目が集まっていることを紹介。
そのうえで、宇都宮氏は「日本ワインには、まだまだ課題があると考えています」と言い、ワイナリーとブドウ農家の分業、醸造用ブドウ栽培とワイン醸造の歴史の短さ、醸造用ブドウの不足、コスト高、新規参入者への支援が必要なことを指摘していた。
このあと、ワイン業界で最高位の資格「マスター・オブ・ワイン(MW)」に合格した、大橋健一氏(株式会社山仁酒店・代表取締役)による、基調講演がスタート。
大橋氏は、自身の経験を踏まえながら、日本ワインの可能性について持論を語り、「Reliability(高い信頼性の確保)」「Absolute value(絶対価値)」「Sales increase(売上げ向上)」の3つをしっかり理解して、日本ワインの戦略を立てていくことが大切だと熱弁。
そして、大橋氏は「必ず、落とし穴を考えてください。私たち自身が、ポジティブな面、ネガティブな面をきっちりわかって、自分らの悪いところも、良いところも堂々と言える。これは、国内国外に関わらずです」と強く伝えていた。