


りんごは、スーパーなどで手軽に購入できる身近な果物。女性たちの間では“キレイをサポートする”イメージが強いようで、実際にりんごをよく食べている女性は「美肌率」が高いらしい。
ライフスタイル総研が、11月5日の「いいりんごの日」にあわせて、10代~50代の女性500名を対象に行った「りんご」に関するアンケート調査で、「りんごを食べる頻度」と「美肌」の関係性を調べたところ、「りんごを週1回以上食べている」と回答した45%の人が「肌の美しさに自信がある」と答えたという。
また、同調査で「りんご」に対するイメージを聞いたところ、90%の人が「ヘルシー(健康的)」と回答。このほか「整腸によい(85%)」「美肌によい(81%)」「ダイエットによい(79%)」「デトックスによい(65%)」「アンチエイジングによい(62%)」という意見があった。
はたして本当に、りんごは美肌やダイエットに向く果物なのだろうか。そこで、管理栄養士の浅尾貴子氏に、りんごの「キレイをサポートする効果」についてお話を伺った。
――美容意識が高い女性たちの間で、りんごが注目されているようなのですが、浅尾先生のご意見をお聞かせください。
旬のフルーツにはどれも女性の美容を応援してくれる成分が含まれているのですが、中でも特におすすめしたいのは「りんご」です。りんごには、キレイをサポートしてくれる2つのポイントがあります。
――そうなのでね! 具体的に教えてください。
りんごには、カテキン、エピカテキン、ケルセチン配合体、プロシアニジンといった複数の「ポリフェノール」が含まれています。これらの「りんごポリフェノール」には身体のサビを防ぐ作用(抗酸化作用)があることがわかってきています。りんごの抗酸化作用の効果は、同じ働きのあるビタミンCに換算すると1500mg分(成人に必要な量の15日分に相当、りんご100gあたり)にもなります。
さらにりんごには、水溶性食物繊維である「りんごペクチン」が入っています。水溶性食物繊維は、粘着性を持っているため、胃腸内をゆっくり移動するので、腹持ちをよくしてくれる効果や整腸作用が期待できます。また、食後血糖値の上昇を緩やかにして中性脂肪を減らしてくれるほか、腸内のビフィズス菌を増やしてお腹の調子を整えてくれたりする成分でもあります。
――りんごには、美容にとってうれしい栄養素が含まれていたのですね。食べるタイミングはいつがよいのでしょうか?
最近はモデルさんやタレントさんなどの間でも、朝フルーツを実践している健康美人が増えているように思います。私のおすすめもやはり朝のタイミング。フルーツの糖質が気になる場合も朝食かランチの時間なら、その日のうちに使い切ってしまえるので安心です。また、朝決まった時間に朝食やフルーツをとることで体内時計のリズムを刻み、気になる便秘を予防することもできます。
中でもりんごは、朝の定番であるヨーグルトなどの乳製品との相性もよく、リンゴ酸やクエン酸が一日の元気を応援してくれるので、朝にぴったりのフルーツ。食欲がないときでも食べやすいですよね。最近はコンビニや主要駅の自動販売機などでも手軽に購入できるようになり、さらに身近な存在に。「朝りんご」の習慣が広がっているようにも感じます。
――りんごをカットして食べている人が多いように思うのですが、おすすめの食べ方はありますか?
どんな食べ方をしても美味しいりんごですが、私はグリーンスムージーにりんごを入れることを定番にしています。小松菜やレモン汁などと一緒に、低農薬りんごを皮ごとざくざくカットしてミキサーへ。りんごが入るとどんな野菜とも相性がよく、自然な甘みがあってスムージーづくりにも便利です。
また、りんごとヨーグルトの組み合わせもよく取り入れています。ヨーグルトの乳酸菌が腸内で活躍するには、エサになるオリゴ糖が必要です。りんごにはオリゴ糖のモトになる食物繊維が含まれていて、一緒に食べると一石二鳥。とった乳酸菌をしっかりキープして腸内環境を整えてくれる役割があります。
最近では、りんごを温めて楽しむ食べ方も話題になってきています。りんごを温めると美腸をサポートしてくれる「りんごペクチン」が活性化するため、ホットりんごはデトックスしたいときにもおすすめ。旬の今の時期にはシナモンなどを添えた焼きリンゴもよいですし、パンにスライスりんごとはちみつなどをトッピングしてトーストしてもよいですね。手軽なホットりんごレシピもますます話題になってきそうです。
――「グリーンスムージーに入れる」「ヨーグルトと組み合わせる」「ホットで食べる」というのがポイントなのですね。教えていただき、ありがとうございました。